「国宝なのに個人の持ち物だったお城がある」
そう聞くと、思わず二度見してしまいますよね。
普通、お城といえば国や自治体が管理しているイメージがあります。しかし、犬山城 は、2004年(平成16年)まで全国で唯一、国宝の天守を個人が所有していた城として知られています。
この記事では、
- なぜ犬山城は個人所有だったのか
- 現在の持ち主は誰なのか
- 成瀬家は何がすごいのか
- 相続税問題の裏側
について、わかりやすく解説します。
国宝犬山城とは?

犬山城は、愛知県犬山市にある現存12天守のひとつ。
さらに、
- 国宝5城のひとつ
- 現存する日本最古級の天守
- 木曽川を見下ろす絶景の名城
として知られています。
別名は「白帝城(はくていじょう)」。
中国の白帝城に景観が似ていることから名付けられました。
国宝5城とは?
日本で天守が国宝に指定されているのは以下の5城のみです。
- 姫路城
- 松本城
- 彦根城
- 松江城
- 犬山城
その中でも、犬山城だけが長年にわたり個人所有でした。
なぜ犬山城は個人所有だったの?
江戸時代の城主・成瀬家が受け継いだから
1617年、徳川家康の家臣である 成瀬正成 が犬山城を拝領しました。
以来、成瀬家は犬山城主として代々この城を守ってきました。
明治時代に再び成瀬家へ
1871年の廃藩置県で、犬山城は一度愛知県の所有となります。
しかし1891年の濃尾地震で天守が大きく損傷。
修復費用の負担を条件に、県から成瀬家へ譲与されました。
つまり、
「直せるなら、この城を託します」
という形で、成瀬家が正式な所有者になったのです。
成瀬家は何がすごい?
100年以上、自費で国宝を守った
1903年から2004年まで、約100年間にわたり成瀬家は個人で犬山城を維持しました。
維持に必要なもの
- 修繕費
- 防災設備
- 耐震補強
- 清掃
- 管理人の配置
国宝の維持費は非常に高額です。
「固定資産税がかかるの?」と思う方もいますが、文化財には一定の優遇があるものの、維持管理の負担は極めて大きいとされています。
先祖代々の責任感
成瀬家は「先祖から託された城を守る」という強い使命感を持ち続けてきました。
普通なら、
- 維持費が大変
- 相続税が大変
- 修理も大変
となれば手放しても不思議ではありません。
それでも守り続けた点は、まさに「現代の城主」と呼ぶにふさわしい存在です。
現在の持ち主は誰?公益財団法人 犬山城白帝文庫
現在の所有者は、公益財団法人犬山城白帝文庫です。
2004年に、成瀬家の13代当主 成瀬淳子 が財団を設立し、個人所有から法人所有へ移しました。
なぜ財団にしたの?
最大の理由は「相続税対策」と「文化財保護」です。
個人のままだと、相続のたびに多額の税負担が発生する可能性があります。
最悪の場合、
「相続税を払うために国宝を手放す」
という事態になりかねません。
そこで公益財団法人化することで、継続的かつ安定的に保存できる体制を整えました。
成瀬淳子さんとは?

成瀬淳子さんは、犬山成瀬家13代当主。
「現代の女城主」としてメディアでも注目されました。
功績
- 財団法人を設立
- 個人所有から法人所有へ移行
- 国宝を未来へ引き継ぐ体制を構築
つまり、
「先祖から受け継いだ城を、自分の代で終わらせなかった人」
と言えます。
犬山城の何がそんなに価値があるの?
日本最古級の現存天守
犬山城の天守は戦国時代から残る貴重な建築。
木材年輪調査でも非常に古い建造物であることが確認されています。
木曽川を見下ろす絶景
最上階からの景色は圧巻。
眼下に広がる木曽川を眺めると、
「ここを守っていた戦国武将の気持ち」が少しわかる気がします。
個人所有の国宝って他にもある?
美術品や書画には個人所有の国宝もあります。
しかし、
「国宝の城を個人で所有」
というケースは犬山城が唯一でした。
そのため、日本史好きの間では特別な存在となっています。
実際に訪れて感じたこと(筆者の感想)
犬山城の話を知ると、見え方が大きく変わります。
ただの観光地ではなく、
- 戦国時代を生き抜いた建物
- 一族が100年以上守り続けた文化財
- 相続税の問題を乗り越えた歴史
が詰まっています。
「城」そのもの以上に、「守ってきた人たちの物語」が胸を打ちます。
国宝とは建物の価値だけでなく、それを受け継ぐ人々の努力も含めての“宝”なのだと感じました。
よくある質問
Q. 犬山城は今も個人所有ですか?
いいえ。現在は公益財団法人犬山城白帝文庫が所有しています。
Q. 個人所有だったのはいつまで?
2004年までです。
Q. 個人所有だった理由は?
明治時代に修復を条件として成瀬家へ譲与されたためです。
Q. 現在の持ち主は誰?
公益財団法人犬山城白帝文庫です。
まとめ
犬山城がすごい理由をまとめると、
- 国宝5城のひとつ
- 現存する日本最古級の天守
- 2004年まで全国唯一の個人所有の国宝天守
- 成瀬家が100年以上守り続けた
- 現在は公益財団法人が所有
つまり犬山城は、
「戦国時代の遺産」と「守り続けた人々の覚悟」が重なった、日本でも特別なお城です。
次に犬山城を訪れるときは、天守だけでなく「この城を未来へつないだ人たち」にも思いをはせてみてください。きっと、いつも以上に感動するはずです。


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